世界遺産:石窟庵 ― 手作業で築かれた類まれな仏教石窟寺院

WORLD HERITAGE: Seokguram Grotto - an extraordinary Buddhist cave temple built by hand

この驚異的な石窟寺院には、海を見晴らす大きく精緻に彫刻された仏像が安置されています。山頂に築かれた人工石窟は、1200年前に複雑な数学理論を用いて建造されました。


8世紀、吐含山の斜面に建立された石窟庵には、海を望む降魔触地印の姿をとる壮大な仏像が安置されています。周囲には神々、菩薩、弟子たちの像が配され、いずれも高浮彫・低浮彫によって写実的かつ繊細に彫刻されており、極東における仏教美術の傑作とされています。石窟庵と近隣の仏国寺は、あわせて極めて重要な宗教建築群を形成しています。


朝鮮半島南東端から東海を望む石窟庵は、韓国が誇る古典仏教彫刻の卓越した伝統を示す堂々たる証です。仏教哲学と美意識を象徴する類まれな尊像群を収めた、幾世紀もの歴史を持つこの石窟寺院は、アジア美術の黄金期に開花した宗教的信仰、科学、そして美術が結実した、精緻な美を備えた建造物です。


石窟庵は、紀元前57年から西暦935年まで新羅王国の首都であった歴史都市・慶州の東、吐含山の山頂近くに位置しています。人里離れた場所にあり、近くの仏国寺から約4キロメートル、急で曲がりくねった山道を1時間ほど歩いてたどり着きます。


韓国有数の観光名所である石窟庵は、仏教が韓国へ伝来する以前に栄えたインドや中国の石窟寺院とは、その構造を異にしています。インドや中国の石窟伽藍は、主に山腹を掘り抜き、自然の岩を彫刻して造られました。一方、石窟庵では、海抜約750メートルの山中に巨大な花崗岩を用いて、驚くべき人工石窟が築かれました。石窟庵の建造に用いられた独自の建築技法は、世界に類を見ないものです。


穏やかで全知を思わせる表情をたたえ、堂々と坐す本尊の仏像を中心に据えた石窟庵には、仏教の教えのさまざまな側面を体現する40体の尊像が荘厳に安置されています。この石窟礼拝堂には、卓越した静けさと調和が満ち、深い精神的な感銘をもたらします。石窟庵の歴史を研究する現代の科学者たちは、堅固な花崗岩を扱う驚くべき技術に加え、新羅の建築家たちが黄金矩形や対称性といった幾何学理論を含む複雑な数式を用いて、この石窟寺院を築いたことを明らかにしています。石窟庵はまさに古代建築の驚異です。

<四天王と天王>

<十一面観音と仏弟子>

<天王と八部衆>

<四天王>

<四天王>

* 写真提供:韓国観光公社。